いらつく”理由”を思いやる

2024/01/04 (木)

「どうしてこんなに待たせるの?」
そうでしょう,私が外来の待合室にいても,きっとそう感じると思います.
連休明けなど,受診下さる方が多い日は,受付から診察まで数時間かかってしまうこともあります.
途中で病状が深刻な方がいたり,救急が到着したりすると,あとの方の待ち時間はどんどん長くなってしまいます.

それは仕方ないこととは思いながら.あまりに申し訳なくて,「お待たせしてすみません」とお詫びしてから診察することも少なくありません.
そんな時,「先生こそ,お昼を過ぎているのにご苦労さまです」と声をかけて下さる方もいて,カリカリしそうな診察室がホッとした雰囲気に満たされることがあります.
確かに,休憩なく診察を続けているので,午前に受け付けた方が終わるまでは昼食もとれません.
ねぎらいの言葉一つで,お互いの気持ちが和らぐということを改めて感じます.

思うようにならなくて,こちらの事情もわかってよ!,と泣き言を言いたくなるときも,相手がいらつく”理由”を先に思いやると,かける言葉を替えられます.
しっかり言葉でねぎらって,相手のイライラを減らせれば,モヤモヤする気持ちも軽くできるかもしれません.

もちろん,立場が違うと”理由”もそれぞれで,的外れな思いやりになってしまうこともあります.
そこは長くなってきた人生の経験もうまく生かして,相手の”理由”に沿った言葉を選んでいきたいと思っています.
なんたって,今年の干支は”りゆう”ですから(新年早々だじゃれか!:笑)